第三話 方南町Lee’s Kitchen 前編

楽しいインタビュー業
 さぁさぁ、三回目の対談ですよ~。「今度の取材はどんな記事になるなのだろう」と、ワクワクしてしまう。ふふふ…仕事はこうでなきゃ。
 このインタビュー業、本業が忙しいと大変な時もある。だけど、楽しいからやりがいがある。関係ない話だけど、労力使う仕事って素晴らしいと思う。私は、年齢的に「はぁ~…今日はめちゃくちゃ疲れた…しんどい」って時があるのだけど、それって精一杯働いた証拠。手を抜かず仕事しているから疲労するわけ。それに気づいてからは、疲労が清々しく思えるようになった。だから、「疲れた~」ではなく「今日も精一杯働いたんだな~」って自分を労う。
 この仕事も一話書き終えるとものすごい充実感があって、私のエネルギーになるのよね。ありがたい。インタビューを受けてくださる先生、本当にありがとうございます。
 あらら、またしてもしょっぱなから話それましたわね。いつもすみません(笑)

 では、本題に行きましょう!
 三話目の先生は、本格的な韓国料理をお教えくださる李先生です。教室名は「Lee’s Kitchen」なので、Lee先生と記載すべきかな?うーん、どうしようか。そうね、今回は、Lee先生で統一することにしましょう。 

 レッスン会場であるLee先生のご自宅にお招きいただいた。住所を見てびっくり!我が家からバスでわりとすぐの近さ。先生のお宅辺りの土地勘はあるので、安心して家を出たところ、バスが来ない。雨だったのでタクシーも迎車ばかり。近いからと安心すると、こんなアクシデントに遭う。アケミ先生、気を抜いちゃダメ!(笑)。そうして、やっと来たバスに乗り込み、焦りを抑えつつ向かった。
 先生のお宅は東京メトロ丸の内線方南町駅から徒歩3分。駅からのアクセスは簡単だ。駅前のバス停で降りて、迷うことなくたどり着いた。
 一戸建てのお宅のインターフォンを鳴らしてドキドキ!緊張する~!…むむ?これって、初めての先生のレッスンを受ける時の生徒さんの感覚なのかな。だとしたら、講師である私は、最高のウェルカム感でお迎えしなきゃ。
 さて、Lee先生に笑顔でお出迎えいただき、そこで緊張ほぐれて中に入ると新築のにおいがした。こちらは、お住まいになられて4年とのこと。二階のダイニングルームに通していただいた。
 大きなテーブルにたくさんの食器類。壁には韓国の可愛い雑貨が飾られている。そして、家族写真が素敵!(レッスンに行かれる皆様、チェックしてくださいね!)

日本在住韓国人の友人にキムチの作り方を教えたのが開講のきっかけです
アケミ先生 本日はよろしくお願いいたします。今回、事務局から「次はLee先生です」と言われてうれしかったです。Lee先生はレッスンのご登録が多いので、私、拝見していましたので。いつもありがとうございます。

Lee先生  My Kitchenの前は、クックパッド・ドゥ!で生徒募集していたんです。そちらが閉まることになって移りました。My Kitchenは、外国人にとって、使いやすいシンプルなシステムなのがよかったのです。あと、応援したいと思ったので登録しました。大きな会社はクリック数(閲覧者)が多くて生徒さんが集まるかもしれないけど、私はMy Kitchenは今後伸びると思ったんです。

アケミ先生 わ~ありがとうございます!うれしいです。実は、過去のインタビューでも同じように言っていただきました。今後も気を引き締めてがんばります。私も料理の先生ですが、インタビューは先生の生徒になった気持ちで臨んでいます。生徒の私が知りたいことは、他の生徒さんも知りたいことかな、って思って。

Lee先生  はい、聞いてくださいね。

アケミ先生 料理だけでなく先生ご本人にも興味があります。たとえば、先ほど、玄関の靴を見て「あ、お子様がいらっしゃるんだ」って思ったのですが、お子様の年齢の予想がつきません。先生は年齢不詳です(笑)

Lee先生  あー、あれは娘の靴です。長女は社会人なので家を出ていますが、下の娘は大学生で…

アケミ先生 え!そんなに大きなお子様がいらしたんですか?びっくりです!韓国の方はお肌がきれいですが、やっぱり発酵食品や唐辛子を食べる習慣が関係しているのかしら。初めてお会いしましたが、先生は年齢よりもお若く見えます。

Lee先生  ありがとう。若いって言われますよ(笑)で、確かに、食べ物は大事です。

アケミ先生 食のこだわりを知りたいです。

Lee先生  レッスンでは調味料も作っていますが、その調味料もなるべく少ない量で美味しく仕上げています。生徒さんが「少しの調味料でもこんなに美味しくなる」と喜んでくれて、復習もしてくれます。作った料理の写真も送ってくれますよ。

アケミ先生 何名でレッスンしているんですか?

Lee先生  基本5名ですが、「その日しか参加できない」という方がいると6名の時もあります。リピーターが多いです。

アケミ先生 なるほど。長いお付き合いの生徒さんがたくさんいらっしゃるのですね。

Lee先生  クックパッド・ドゥ!の前は、別のプラットフォームで集客していたんです。そちらは、講師の登録が外国人というところでした。在日外国人のお宅に行って異国文化を知るというコンセプトだったので、本格的な料理を教えている私のコンセプトとは違うかな~と思っていました。

アケミ先生 あ、そこ、わかります!私が料理の仕事を始める前なのでだいぶ前ですが、そのウェブサイトを見たことがあります。ということは、先生は料理教室を始められて長いのですね。いつからなのですか?

Lee先生  2008年からかな?韓国人の友人に私のキムチを持たせたら、「家族が美味しいからまた食べたいって」と言われて。韓国人って「美味しい」って言われると「じゃあ、あげる」っていう感覚なんです。で、2回ほど作ってあげたけど、さすがに3回目はね(笑)「作り方を教えてほしい」と言われて、教えたのがレッスン始めるきっかけでした。

アケミ先生 え?でも韓国のお友達にですよね?皆さん、キムチ作るのは得意なのでは?

Lee先生  当時の日本在住の韓国人は、韓国のお母さんからキムチを送ってもらっていたの。私も最初は母や姑のキムチを送ってもらっていました。でも、いつまでも送ってもらえないので、自分で作るようになりました。姑と母は料理が上手なので、舌でおぼえた味で作っています。

アケミ先生 あ~なるほど。過去のインタビューの先生たちもお母様が料理上手だとおっしゃっていました。やはり、子供のころから美味しいものを食べている方は、料理の仕事に就きやすいのかもしれませんね。でも、コロナ過で、韓国のお母さまにはお会いできないのは残念ですね。

Lee先生  いえ、1年に一回は帰っています。

アケミ先生 それはよかったです。本場の食材や調理器具を買ってこられますね!調味料とか。日本で手に入らないものもありますものね。

Lee先生  レッスンは、日本で手軽に買えるものしか使いません。皆さん、必ず復習してくださるのでね。手に入らなくても、あるもので工夫して作る方法も教えますし、もちろん手に入るお店の情報や、あと、私がインターネットで探したものがあれば、それも教えています。

アケミ先生 それはうれしい。本格的な韓国料理が再現できますね!

Lee先生  手軽に作れるものも教えていますよ。日本も韓国同様お米を食べるから、おかずが必要ですよね。共働きの方もいらっしゃるので、韓国の常備菜も教えています。

アケミ先生 共働き..となると、生徒さんの年齢層は?

Lee先生  20代の独身の方もいますし、最高齢は…うーん、74歳の方かな?

アケミ先生 わ~幅広い年齢層!先生のレッスンは、デモンストレーションでしたよね?実習はないのですか?

Lee先生  魚などの鮮度が大切な食材は私が扱いますが、以前は野菜は切ってもらっていましたよ。でも、コロナ過で私が調理するようになりました。あ、キムチは、自分のものを自分で作って持って帰れるようにしています。

アケミ先生 わ~キムチレッスン!楽しそうですね!私も自己流で漬けているんですが、作り方が間違えていないかな~って気になっています。

Lee先生  あら、レッスン来てくださいよ。

アケミ先生 いえいえ、講師が生徒だと先生が気兼ねしてしまうかな~と気を使って遠慮しています。

Lee先生 うちは大丈夫ですよ!料理教室の先生が来ていますし。栄養士、調理師の方も来ています。私もアケミ先生のイタリアン習いに行きたいです。

アケミ先生 ええ、ぜひ。お近いからバスですぐですよ。

Lee先生  自転車で行きますよ。

アケミ先生 いえ、自転車だと大変です。あはは(笑)しかし、こうして実際にMy Kitchenの先生とお会いしてお話できるのは本当に楽しいです。皆さん、やさしくてフレンドリーな先生ばかりだし。

Lee先生  実は、私はあまり外に出ないんですよ。私の家に誰かに来てもらうのが好きなんです。また遊びに来てください。子供が小さい頃からこんな感じでした。子供のお迎え時間まで友達が来て、お茶を飲んでランチ食べて。で、「これ美味しいから教えて」ってなって。

アケミ先生 私も同じです!友達に料理を振るまっているうちにレッスンするようになりました。Lee先生も専業主婦からの料理教室の先生なのですね。実は「料理が好きだから仕事にしたいな」という人のサポートをして差し上げたいと思っているんです。過去の私のように、何をしたらいいのかわからない方のために、運営に必要な情報をお伝えしたいんです。衛生面のことも含めて。

Lee先生  私、お手伝いしますよ。調理師免許持ってますし。

アケミ先生 わ~ばっちりですね!ぜひよろしくお願いします。

Lee先生  衛生面に関しては、レッスンの時にけっこう言っています。繰り返して言うから生徒さんたちは自然と頭に入っているはずです。

取材・撮影・文
Class A's Kitchen
中尾明美